保健師での独立を一旦保留にした私は
何か自分の強みを持たないといけないと思いました。
そして、保健師以外の売りも必要だと思いました。
自分が得意なことって何だろう
と考えたとき、保健師時代に受講した産業カウンセラー養成講座で
傾聴の仕方を褒められたことを思い出しました。
個別面談だったらまぁまぁできるかな・・
やるんだったら、今まで関わってこなかったたちと関わってみたい
カウンセリング系の求人を探していたところ
刑務所でのキャリアコンサルタントという求人を見つけました。
刑務所なんて全く縁がなかったので、少し躊躇する気持ちもありましたが、
不採用になる覚悟で採用面接を受けたら採用となり
私は、刑務所で就労支援スタッフとして働き始めました。
〇刑務所でのキャリアコンサルタント時代
刑務所の就労支援スタッフの応募要件には、
「キャリアコンサルタントの資格保持者なお可」と書かれていました。
採用された当時、私はキャリアコンサルタントの資格を持っていなかったので
この時にキャリアコンサルタントの資格を取りました。
キャリアコンサルタントは、産業カウンセラーと違って
相談者の話を傾聴して内省を促すだけじゃなく、
自分の思い描く未来をイメージしてもらい
それを実現するためにどんな方法を取るかを考えてもらうというものです。
受刑者にキャリアコンサルタントをすると
最初はあまり働く気がなかった人が、希望ある未来を見つけ
だんだん働きたくなっていく姿を見ると、とてもやりがいを感じました。
受刑者の働く意欲を向上させ、就職率を上げるため、色々なことをさせてもらいました。
刑務所で働いてみて、私は受刑者も受刑してない人もあまり変わらないな、と思いました。
働き始めるまで、受刑者と関わったことがなかったので、
自分の身の回りの人とは全く違う人たちだと思ってたのかもしれません。
悩んでいることも弱い部分も私たちとあまり変わらない気がしました。
人間の課題ってだいたい同じようなものなのかもしれないと思ったのです。
ただ表現の仕方や行動が違っただけなんじゃないかなと思いました。
でも、受刑者を雇ってくれた企業さんからは
刑務所ではやる気を持っていても、
出所すると気持ちが変わってしまう人が多くて困っているという話をよく聞きました。
話を聞く時間を作ったり、気にかけたりと一生懸命関わってくれていますが
雇い主と従業員という間柄では、サポートに限界があるのではないかと感じました。
雇い主・従業員とは違う第三者が介入した方が効果的なんじゃないかな・・
保健師時代にも思ったことを、ここでも感じたのです。
やはり私は、第三者として雇用主と従業員に関わりたいと思うようになりました。
経営者は会社の未来に向かって経営のことに専念できるように
従業員は会社で働きがいを感じながら働けるように
そのために、独立することを決めました。