本日は、八女市で天然石、レンガ、タイルの加工とインテリア、外構工事を行われている株式会社オガタストーンの代表取締役:緒方康幸さんに事業内容や経営理念を作ったきっかけなどを聞かせてもらいました。緒方社長の石材に対する思いや人柄を感じられるインタビューになっています。ぜひご覧ください。
- Q オガタストーンの経営者になったきっかけを教えてください。
- 創業者である父が引退するタイミングで経営を引き継ぎました。大学では建築の勉強をしていたのですが、自分が継がなかったら実家の会社はどうなるんだろう、無くすのはもったいないなと思い、家業を継ぐことを決めました。大学卒業後、実家と同じ事業をしている石材の施工会社で修行をした後、実家に戻り経験を積んで30歳で事業を継承しました。
- Q 社長に就任して大変なことはありましたか?
- 社長に就任してすぐにリーマンショックが起こり、経営状況が一気に悪化しました。なかなか挽回できず、これから先をどうしようかと本当に悩みました。苦しい時期が4年ぐらい続きました。その頃は、楽しそうに笑っている人の顔を見るのが恨めしいぐらいでしたが、喫茶店で今後の経営のことを考えていた時、ふと、人が笑顔になる時は「食」が近くにあるなぁと思ったんです。それまで、建材としての石しか扱っていませんでしたが、“建材における石材だけにこだわらなくてもいいんじゃないか?食の分野に天然石を使ってみたらどうか?“と思いました。その頃、石窯パンとか岩盤浴が流行っていたので、調理機に敷ける石の天板もいいのではないかと思いました。思いついたその日に、調理機のカタログを見て、実際の調理機のサイズに合わせた石板を作って、次の日から食に関連する色々な会社に営業して回りました。その結果、営業した会社さんから石板を採用してもらって、そこからこれまでの建築分野以外の道が開けていった感じです。石板以外にも、食に関わることを中心に、お菓子屋さんに使われる作業用テーブルの天板を作ったり、料理を載せるお皿を作ったり、小さいものから大きなものまで、石に関わるあらゆるものを作って少しずつ商品の幅が増え経営が安定していきました。
- Q 経営理念はどんなタイミングでどんな思いで作ったのですか?
- 経営理念は、経営者になって少し経ったタイミングで作りました。会社を変えたいという気持ちがあったからです。経営理念は、「製作・工事という商品を通じて、世の中へ可能性と感動を提供する」です。“品質に妥協しない。埃被り汗かいて作り出した商品が素晴らしいということを社員にも伝えたかった”というところにこだわりを持って商品を提供しています。
- Q 理念浸透のために取り組んでいることはありますか?
- 理念の見直しを管理職数人と定期的に行なっています。社員がより共感しやすい理念に柔軟に変えていっています。それから、朝礼では、働く上で持っていて欲しいマインドを書いた冊子を全員で読み合わせたりもしています。
- Q 緒方社長が働く上で大切にしていることはありますか?
- 今後のことを考える時は、一度平面図に書いて物事を俯瞰して見るようにしています。できるだけ遠くから客観的に見ることを意識しています。あとは、自分から宿題を作るようにしています。悩むことを長々せず、スピード感を持って、どうせやるなら楽しくやろうと思っています。
ありがとうございました。
普段、あまり“石”について考えることがなかった私には、とても新鮮で楽しくお話を聞かせてもらいました。「大陸は石でできている」と聞いて、大陸は“大陸”というものだと思っていた私には目から鱗な話でした。この硬い石を、粒状にしたり粉状にしたり、色々な形にすることで、砂利になったり、タイルになったり、陶器になったりと色んなものに変化させられるというのも、「石は硬くて変化させられない」という私の思い込みを打ち壊してもらいました。石って意外にも変幻自在なんですね。
緒方社長の話を聞いて、緒方社長からも石のような柔軟さを感じました。柔軟な考えとスピード感とワクワク感によって現状が打開され、結果的にピンチがチャンスに変わる!これってみんなに必要なマインドだと思いました。
長時間にわたり、お話を聞かせていただきありがとうございました。現状にとらわれず、夢に向かってどんどん進んでいく緒方社長をこれからも応援させてもらいたいと思います!